「SE金物」が接合部を変えた -「SE金物」とは?他の金物と何が違うの?

SE構法の接合部(柱/梁)

一般的な木造住宅は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため断面欠損を招き、構造材本来の強度を低下させてしまいます。 それに対しSE構法は、大きな揺れに対して接合部が破壊されない技術を追求。独自開発の「SE金物」で柱と梁とを接合し、断面欠損の少ない、耐震性能に優れた構造を実現しています。

接合強度の高い「Sボルト」を全棟採用

地震時において、さらなる安全性を確保するために、SE構法では業界で初めて、全棟「Sボルト」を採用しています。 Sボルトは、従来の金物工法の課題を克服するために開発された特殊なボルトです。表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性が向上。通常のボルトの2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、ラーメン構造を実現しています。

木が「やせても」強さを発揮するSボルト

一般の木造住宅で使用する木材と同様、構造用集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。これを木造業界では「木がやせる」と言います。今までは木がやせてしまうと、施工当初にきつく締め固めていたボルトやナットが緩んでしまい、剛性(強度)を維持することは困難でした。 SE構法では、ラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかりと食い込み定着することにより、木の収縮に対しても強性を確保します。

SE構法の接合部(柱/梁)

阪神淡路大震災の経験から、土台から柱が抜けないように柱と基礎とをSE金物で強固に接合する方法を考案しました。 その耐力は、実に従来の工法の約9.5倍。 地震など、横からの力による引き抜き現象に対して圧倒的に強い性能を持つ柱を実現させています。

骨組みの強さ

頑丈な柱と梁で建築を支えるラーメン構造。木造建築にこの構造を取り入れ、さらに強さを増したのがSE構法です。 強度や品質に優れた集成材でできた柱と梁を、丈夫なSE金物で剛に接合することで、構造計算プログラムで検証された、揺るぎない強度の骨組みを実現しました。 壁だけで建築を支えるのではなく、骨組み全体で建築を支えるので、高い安全性を確保したまま、柱や間仕切り壁の少ない、開放的な大空間を実現することができます。

100年後も同じ強さを持つ金物を全棟採用

SE金物はカチオン電着塗装されています。その優れた耐久性は、約600時間かけた塩水噴霧試験において、ほとんど試験前の状態と同じ品質レベルを保っていることからも証明されます。 この試験時間は、標準地域では168年、塩害地域では100.8年分の負荷をかけた状態に相当します。

ビルや大規模建築物と同じ手法で解析

SE構法で行う構造計算では、建物に加わる荷重(鉛直荷重・風荷重・地震荷重)を算出し、建物の変形(層間変形角)・建物のねじれ(偏心率)・各階の固さのバランス(剛性率)をチェック、さらに構造部材の安全性の検討を行います。その上で、大規模地震時の建物の安全性の検討や、建物と一体で解析できる基礎計算など、高度で詳細な構造解析までも行います。

一体解析で最適な基礎を設計

SE構法では、FEM(Finite Element Method:有限要素法)解析により、地盤に応じた最適な基礎設計を可能にしています。 一般の木造住宅における基礎の構造計算では、基礎梁と耐圧版の負荷を別々に計算しています。 しかしSE構法では、基礎梁と耐圧版とを合わせて立体的に解析しています。

では次に、SE構法でつくられた家が、建物としてどれほどの「価値」があるのか?についてご説明します。

資産価値のある家づくり